
アメリカの日本食事情(その1)
(2009年7月14日)
「今日、世界経済をはじめ政治や文化面において以前以上に大きな変化が見られ、アメリカのメニュー開発分野においてもメガトレンドの一つとして日本食・日本食材を含むアジア料理が大きな位置を占め始めています。アジア料理が米国の白人社会においてホットなトレンドとして無視できない現在、アメリカのシェフがメニュー開発において日本食その他のアジア料理のゴールドスタンダードを基準にすることは極めて重要といわざるを得ません。」こう話すのは、Culinary Institute of Americaの戦略担当ディレクターのGreg Drescher氏。
Culinary Institute of America、略してCIA。このCulinary Institute of Americaは正式な大学の認可がおり学位としても学士号が取れる学校。料理の基本である各国料理の調理実習はもちろん、レストラン経営、ワイン学、衛生管理(衛生学)、食品栄養学、ウェイター実習など総合的に料理に関する事を学び、実践をする学校である。卒業前には、実際に学校が所有するレストランを経営するインターンも経験できる、とのこと。
CIAでは毎年、Annual Worlds of Flavor International Conference & Festival をSt.Helenaで開催している。三日間にわたるこの食の国際会議は有名で、参加チケットも直ぐに完売し、世界から700名前後が参加している。2007年の11回大会では、The Rise of Asia: Culinary Traditions of the East and Flavor Discovery in 21st Century America とアジアがテーマに開催され、日本人シェフも多く招かれた。
2010年11月4日〜6日には、Japan: Flavors of Culture From Sushi to Soba to Kaiseki A Global Celebration of Tradition, Art and Exchange と題して日本食とその食文化全般に焦点を合わせたイベントが大々的に開催されることが決まっている。恐らく、この規模での日本食のみを取り上げた三日間の国際会議とフェスティバルが、アメリカで開催されるのは今回がはじめてではないかと思われる。
月間150万アクセスを誇るCIAのウエブサイトに、醤油の「うまみ」についての記事が出ている。
この他にも最近、ミソやみょうがなどの記事を米国食専門誌のなかで目にすることが多くなった。日本食はもはやブームやトレンドから、着実にアメリカ人の食生活に入りこみ、また、日本の食材は着実に進化しながらアメリカ社会に定着しつつあるといえよう。いまや、ステレオタイプの寿司や天ぷらから、日本の食の真価が問われようとしている。
(次号につづく)
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