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日本企業、目指すはメインストリーム
(2010年8月30日)

7月15日から半月程、カリフォルニアのSouth Bayエリアで仕事をしていました。とにかく気候が最高に素晴らしいところです。日本の蒸し暑さとは全く縁遠い別天地です。日本ではゲリラ豪雨や熱中症で多くの死者が出るなど異常気象のニュースが毎日取り上げられていました。

今回のミッションはいくつかありました。その一つが日本の食品のアメリカ市場への参入支援です。アメリカの人口は約3億人ちょっと。そのうち、日本人・日系の人たちは0.3%といいますから100万人に満たない人口です。日本の食品会社、食の生産者はアメリカ在住の日本人や日系の人たちを対象とした小さいマーケットではなく白系を中心としたメインストリームにいかに参入するかが、目指す目標となっています。

国内市場が閉塞感を呈している今日、日本の産品や技術を海外に持っていくことは日本企業が持続して成長するためには不可欠です。日本の企業を構成するのは圧倒的に中小企業です。SME (Small and Medium Enterprises)と呼びます。大手は独自の情報網を持ち、お金も持ち、人材も持ち、自力で海外展開できる体力と知力が備わっています。しかし、これまで大手を支え、日本を支えているSMEにはそういった企業は少ないのが実情です。

日本の食品企業がどう苦労してアメリカのメインストリームに入り込んでいるか一つ成功例をご紹介しましょう。「やめられない、止まらない」で有名な「かっぱえびせん」を製造販売しているのはカルビー(株)です。アメリカでも ”Shrimp Flavored Chips” として製造・販売を行いアジア系スーパーにも数多く出回っています。本物に似せたコピー商品も見かけます。

カルビー社は1970年から米国進出を果たし、ヒット商品、さやえんどうをベースにしたスナックを発売しはじめたのは1999年でした。そこから遡ること2年、1997年にフランスで開催されたスナック菓子のコンベンションで、カルビーの展示ブースが黒山の人だかりになった「試食品」が“さやえんどう”でした。これならアメリカでも!と思いアメリカでの挑戦をスタートしました。

商品の特徴は健康志向です。豆の風味を活かし100%ナチュラルで着色料や香料は一切使わず、ターゲット層は20代後半から40代・50代前半の教育レベルの高い女性です。フランスで試食をしたとき、特に女性からの人気が高かったためです。マーケティングの基本は、「だれに」「どう」売るかです。アメリカ人女性の買い物に関する実態調査を行い「だれに」を絞り込んだ結果、女性たちがよく利用するスーパーのこともわかりました。グルメ系スーパーのWhole Foods Market、Trader Joe’sなどです。オーガニックがキーワードとなるお店です。健康志向でスマートな女性たちが好んで立ち寄るのが生鮮野菜コーナー、鮮度や品質を手にとって確認し、納得をして野菜を選ぶということも分かりました。

一方、カルビーの商品はスナック菓子でjunk foodのカテゴリーとなります。彼女たちはスナック売り場を敬遠します。そこでの一策が、ならば、彼女たちが足を運ぶ野菜コーナーに置いてもらうのはどうかと思いつきました。その後、”Snapea Crisps”としてテスト販売をスタート、「サラダのように食べられるスナック、スナックのようなサラダ」を基本コンセプトに打ち出しました。ユニークな試食方法として効を奏したのが、無人の試食販売です。日本でもマネキンと称する人たちがスーパー等で試食販売をしています。当初、マネキンを使って有人試食を行っていましたが、押し付けられるイメージがありターゲット層に嫌われることがわかりました。そこで、写真のように透明ドームでカバーした無人試食台を開発しました。このアイデアがヒットし、商品が流れ出しました。この無人の試食台は現在いろんなところで見かけるようになりました。

Snapea Crispsの販売は年間1200万袋で、将来は全米人口の4割に相当する1億2000万袋が目標とのことです。マーケティングの基本である「何を」「だれに」「どう」販売するかを緻密な調査を経て、何度も失敗を繰り返しながら取り組んで結果、米国スーパーのメインストリームに入り込むことができた成功例です。


宿泊先のホテル
レドンドビーチ


レドンドビーチでであったカモメ











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