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「カリフォルニアの風」第4号  〜変化するアメリカ社会〜 

(2009年10月2日)

 黒人の大統領が選ばれたり、メキシコ系の最高裁判事が選ばれたりしたからだけでもないのですが、最近ことにアメリカ社会の人種構成の変化を感じています。その変化が全米中に一番良く出ているのがカリフォルニア州であり、そして私の住むロサンゼルスです。「ロサンゼルス」と言う場合にはロサンゼルス市を意味する場合もあれば、それを含んだロサンゼルス・カウンティ(郡)を意味する場合もあります。

 ロサンゼルス・カウンティは全米中で一番人口の多いカウンティで現在1千万人を越えます。その中に88の市や町村があり、その中で一番大きい市がロサンゼルスで、現在の人口は406万人です。通常私が「ロサンゼルス」と言う時にはこの1千万人を含む地域を意味しています。ここで起きる変化は徐々にカリフォルニア州、更には全米へと広がる傾向があります。それは人種構成だけでなく、政治的・文化的変化や社会の流行なども含まれます。

 街の看板にスペイン語が増えました。また街で見かける人にもヒスパニック系の人が多くなりました。ヒスパニック系とはメキシコ系を中心に中南米系の人々を総称する言葉です。人口が増えれば経済力が増します。経済力が強くなれば、政治力が高まります。その動きが市や郡や州の選挙などに現れています。現在ロサンゼルス市の市長さんもヒスパニック系です。また音楽やファッションや食べ物などにもヒスパニック文化の影響が広がっています。

 スペイン語ほどではありませんが、最近は韓国語の看板も多く見るようになりました。従来の「コリアタウン」だけでなく、その広がりは各地に見られます。以前は日系人の数より遥かに少なかった韓国系の人口はいつの間にか日系人の人口を越えてしまいました。これはアメリカへの移民に積極的な韓国の人々と少し消極的で内向き傾向が出ている日本の人々との意識の差やベトナム戦争時に派兵した見返りとして永住権優遇策を得た韓国の背景などもあります。

 全米における人種構成は2008年の国勢調査統計で白人系が66パーセント、ヒスパニック系が15パーセント、アフリカ系が14パーセント、アジア系が5パーセントだそうですが、それが2042年には白人系が50パーセントを切り、2050年には白人系は46パーセント、ヒスパニック系が30パーセント、アフリカ系が15パーセント、アジア系が9パーセントになると予測されています。

 ヒスパニック系の躍進とアジア系の増加が見えます。白人系がマジョリティだったアメリカは今後ますます変化して行くのは間違いありません。多人種・他民族社会の傾向をさらに強くして行きます。アジア系も増えつつあるものの、その内容は韓国系、中国系、ベトナム系、フィリピン系などの人口増加であり、日系人の人口が増えないのは、アメリカの政治の動向を見守る上ではかなり懸念材料です。日本からも勇気を持ってアメリカの大地に挑戦する若者がもっと増えると嬉しいのですが。

   

(鶴亀彰)


鶴亀 彰(つるかめ あきら)
プロフィール: 在米42年。1966年に企業駐在員として渡米、ロサンゼルスと ニューヨークで勤務の後、1980年に日米のハイテク企業の国際化を支援するカリ フォルニア・コーディネーターズ・インクをロサンゼルスで設立。日米往復も160 回を越え、中小企業やベンチャーの情報化、組織のありかたに関する講演なども多い。2007年からインターネット・テレビ局YUGOBIを開設、新たな計画を推進中。京都 外国語大学卒業。鹿児島県出身。
著書:「海に眠る父を求めて 日英蘭奇跡の出会い」(学習研究社)、 「伊一六六潜水艦 鎮魂の絆」(学習研究社)








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