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「カリフォルニアの風」第5号 〜祝祭の季節〜
(2009年11月4日)
常春の気候が年中続くカリフォルニアもさすがに秋風の中に少し冷たさがまじります。ハロウィーンの祭りにサンクスギビングディ、そしてクリスマスと祝祭の季節を迎えます。子供達が思い思いの仮装姿でキャンディーを求めて家々をノックして回るハロウィーンですが、今年は子供の数が例年より少なく感じました。豚インフルエンザのせいかも知れません。
日本のようなはっきりした四季の変化がないカリフォルニアですが、祝祭の季節が近づくと、大人達は何かと気ぜわしくなります。アメリカ中に広く散らばって住む家族が年に二回一緒に集まるための準備も必要です。贈り合うギフト購入予算の算段や買い物計画も立てなければなりません。ましてや今年は経済不況の中です。一工夫が必要のようです。
昨年のリーマンショックで始まった世界恐慌への不安は世界各国政府の協調金融対策で何とか収まったようで、最近のアメリカのGNPの伸びは予想より高いものでした。株価も以前のレベルに戻りつつあります。しかしその一方、CITグループという百年以上続いた大手銀行持ち株会社が倒産し、会社更生法を申請しました。危機はまだ完全には終っていないようです。
問題は失業率の高さです。いくらか景気は上昇し始めたものの、雇用はなかなか伸びません。企業は新規雇用に慎重なようです。それだけに一般庶民の間にも不安の思いは消えず、生活防衛のために財布の紐は堅くなっています。そしてそのことが消費活動を減少させ、企業の収益を悪化させ、また雇用スランプを招いています。
例年11月のサンクスギビングディから12月のクリスマスまでの祝祭の季節はアメリカでもっとも消費活動が活発化する時期と言われています。業種によっては年間売り上げの三分の一から半分にあたる売り上げがこの一ヶ月間に達成されるそうです。今年はどうでしょうか。祝祭の季節の小売業の成績が来年一年の景気を占うでしょう。
しかし物に溢れ、消費は良いことだとばかりに借金してでも物を買っていたアメリカ人の傾向が収まることは地球環境のためにはプラスです。質実剛健に暮らし、物ではなく人間の思いやりや助け合いなど心の豊かさが増えるならば良きことではあります。同時にそれはアメリカの大量消費を支えるべく大量輸出していた日本に取ってはマイナス材料ではあります。
地球環境にプラスの製品を創り、輸出すると共に、今まではなかったような楽しく快適な製品を生み出すよう日本の企業には努力が求められているようです。ハロウィーンに集った変わらない無邪気で明るい子供達の笑顔を見ながら、アメリカが、日本が、世界が、現在の経済不況を乗り越えて、不安のない心豊かな祝祭の季節を迎えられるようにと祈りました。
(鶴亀彰)
| 鶴亀 彰(つるかめ あきら) プロフィール: 在米42年。1966年に企業駐在員として渡米、ロサンゼルスと ニューヨークで勤務の後、1980年に日米のハイテク企業の国際化を支援するカリ フォルニア・コーディネーターズ・インクをロサンゼルスで設立。日米往復も160 回を越え、中小企業やベンチャーの情報化、組織のありかたに関する講演なども多い。2007年からインターネット・テレビ局YUGOBIを開設、新たな計画を推進中。京都 外国語大学卒業。鹿児島県出身。 著書:「海に眠る父を求めて 日英蘭奇跡の出会い」(学習研究社)、 「伊一六六潜水艦 鎮魂の絆」(学習研究社) |