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アメリカ外食・食品事情 (10/01/2004)

〜猫の目のように変わるアメリカ外食産業 (トレンドを作るか、トレンドを追うか?)〜

トレンディ・レストラン紹介  Japanese CuisineR23

R23のロゴ


ロサンゼルスのダウンタウン、ハイウエイ101号線をAlamedaでおり、2 nd St.を東に少し進んだ倉庫街の中にその店はある。Shiho Amano

場所柄に加え、常連が7割以上というだけあって、通りすがりにブラリと立ち寄れる店でもなければ、ガイドブック片手に旅行者が詰め掛ける店でもない。“自分だけが知っていてゲストに自慢できる隠れ家的なお店”こんな感じだろうか。店の扉を開けた瞬間、ハッとさせる雰囲気をこの店はもっている。

最初に飛び込んでくるのは、Shiho Amanoのニューヨークスタイルの作品である。店内全体に違和感なくShihoの作品が飾られている。確かに店のカードに目を落としてみるとJapanese cuisine & gallery と記されている。13年前にニューヨークのソーホーを意識してこの店は作られたという。

この店のポリシーについてアメリカ人の舌を知り尽くしたこの道22年、“R23”の料理長、小高(オダカ)俊雄氏に語ってもらった。「伝統的な日本料理をアメリカナイズせず斬新なインテリアや雰囲気のなかで食してもらう」、これが基本という。彼が言った斬新なインテリアの中には、ボール紙を素材にしたユニークな店内の椅子が挙げられる。通常の椅子と思って座るべく椅子を引いた瞬間、急に力が抜け初めてそのときに椅子の素材に気がつく。確かにゲストが驚くに違いない。

R23の入り口日本食レストランによくあるテリヤキ、天ぷらはメニューに載せていない。ロスに600件近くある日本食レストランとの差別化をはかりたいとこだわりを小高氏は強調する。

“R23”の客層は、白人が70〜80%、アジア系が10〜20%と圧倒的に地元密着の経営スタイルである。顧客単価も夜は60ドル〜70ドル平均と他と比べ高めの設定である。浮き沈みの激しい日本食レストランビジネスの成功の条件をいくつか挙げてもらった。

第1にロケーション、第2にメニュー構成とプライス設定、第3に現地人を相手にする、第4にテーマ、という。第1のロケーション、これは“R23”の周りには何もないあっけらかんとしたロケーションなのになぜ、という質問に、「ロケーションの悪さを逆に付加価値にした」という答えが瞬時に返ってきた。資金的な体力と顧客がつくまでの期間をいかに耐え切れるかが、今のロケーションの付加価値に繋がっているようだ。今でこそ、知る人ぞ知る繁盛店ではあるが立ち上げ当時は苦労が続いたようだ。


ここ1年、Dr. AtkinsのLow Carb(炭水化物を抑えた食事)の影響もあり、 “R23”でも手巻き寿司のご飯なしを注文する白人客が増えつつあるようだ。もちろん、日本ではシャリ抜きの寿司など考えられないが。アメリカ人が好むすしネタは、トロ、ハマチ、サーモン、うなぎ、そしてアバコ(白マグロ)。

ロブスターや蛎、黒ムツ(タラ)を素材にした料理が人気メニューという。圧巻は、1メートル近くあると思われる細長い皿に盛られた握りと巻物(写真)。まさに、目で見て楽しみ食して味わえるゲストの度肝を抜く演出である。さすが、ハリウッドにも近くエンタテインメント性抜きではこの食の世界でも生き延びるのは難しいかもしれない。

R23の鮨職人

この店を入って正面カウンターには、3人の板前がいる。その一番左側の定位置を占めているのが料理長の小高氏である。凛としたいかにも料理人らしい風情の彼がゲストを出迎える人懐っこい笑顔は、一瞬ロスにいることを忘れさせてくれる。彼の前のカウンター席を陣取ることを勧める。

料理長の小高氏 創作鮨

Japanese cuisine & gallery “R23”
923 E.2nd St., Suite 109 LA., CA 90013
TEL 213-687-7178 
www.R23.com
営業時間:月〜土 (日・祭日休み) 11:45〜14:00(昼)、17:45〜22:00(夜)

文・写真: 利根川正則


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