California Gift Show(2008/7/18-21)

Los Angeles Convention Center (ロサンゼルス・コンベンションセンター)

小売業向けのトレードショウ、カリフォルニア・ギフト・ショウがロサンゼルスコンベンションセンターで開催された。主催者資料によると、出展者数1200、来場者約22000人。この展示会には、小売業のバイヤーたちが直接買い付けに来る。

今年の大きなトピックは、Sustainable / Green(サスティナブル/グリーン)。この展示会の主催団体が今年の3月にSustainable Furniture Councilのメンバーにもなり、展示会全体でこの運動を推進している。ショウの出展者リストにも該当者は「エコ・フレンドリーな出展者」として特別リストを掲載して、サポートしている。

Sustainable Furniture Councilのブースに立ち寄ると、建築廃材を使ったテーブル、ドアの廃材を使った間仕切り、化学処理をしていない革の椅子などが展示されていた。一回使った材料も使い捨てにせずに、デザイナーがデザインしたおしゃれな家具に生まれ変わっている。そこに貧乏くさやデザインの貧困さは感じられない。

展示会全体を見ると、ブティックや専門小売店向けという事もあり、ショウの名前の通りギフトに使えるような小物が多い。国際色豊かな手工芸品が多く集まっているのも特徴だろう。興味深かったのが日本の雑貨小物。日本で今流行している雑貨小物を出展している企業ブースに立ち寄ったが、今は日本のカワイイ弁当箱がアメリカの若い女性に人気なのだそうだ。この小さな弁当箱に、キャラクター弁当を詰めて写真を撮影したり、友達と見せあったりと、このあたりは日本と何ら変わらないようだ。

この季節、クリスマス商戦の追い込みのはずなのだが、昨年のような賑やかさはないのがちょっと気がかりだった。その中で、やはり今年の特徴は、GREEN。ECOフレンドリーな商品をコンセプトにしているブースだろう。全体から見るとまだ数は少ないものの目につく。次の切り札は、「GREEN」だろう。

一般的なギフトショウがSustainable / Greenをテーマにしてきたのには時代の流れを感じる。これが一時のブームで終わってしまうのか、大きな波となるのか、様子を見守っていきたい。

次回は、2009年1月16日〜19日に同じロサンゼルス・コンベンションセンターで開催される。





  The World Tea Expo(2008/5/30-6/1)

今年で3回目、名称変更前から通算して6回目になるワールド・ティー・エキスポがラスベガスのマンダレイ・ベイ・コンベンションセンターで開催された。
ワールド・ティー・エキスポ(The World Tea Expo)は、2003年3月にTake Me 2 Tea Expoとしてスタート。今年は出展企業が300社以上、来場者数4200名と予想されている。
会場で話を聞いた日本からの出展企業およびアメリカ法人の日系企業は、14社。総出展社数に占める割合が、これまで見てきたアメリカのコンベンションの中では一番大きいのではないかと思われる(日本政府関係・日系企業主催のものをのぞく)。来場者は、これからティー・ショップを始めようという人々、現在の店の商品にティーを加えていきたいショップのオーナーなどが多い。

エキスポ事務局からの資料によると、米国内の茶の市場(飲料と非飲料の合計)は2010年には10ビリオンドル(100億ドル 約1兆0500億円)にまで成長すると予想されている。
過去20年間に茶の輸入量は25%以上増加しており、その中でも緑茶は118%の伸びを示している。
2007年にアメリカ人たちが消費したお茶は25億ガロン(94.5億リットル)。82%が紅茶(Black tea)、17%が緑茶、他がウーロン茶やホワイトティーとなっている。
缶入り、ペットボトル入りのお茶の消費は、2007年1年間で20%と業界全体を押し上げている。
調査の結果、消費者の好みは、オーガニック&フルーツフレーバーとのこと。

出展企業

この5月からサンフランシスコ・ベイエリアで新発売された、サントリーの「伊右衛門」のアメリカバージョン「IYEMON CHA Original Green Tea」「IYEMON CHA Rosted Green Tea」が出展されていた。プラスティック・ボトルではなくガラス瓶入り。リサイクルなど環境面を考慮したものと思われるが、361ml入りで瓶の重さが約360g。これを日本から瓶ごと輸入している。お茶の抽出および充填技術がアメリカでは再現できないからだそうだ。味は、アメリカ向けに多少変えているということで、味わいが深いのに渋みもおさえ、あっさりしている。ほうじ茶の香りもいい。この味とほっそりとした瓶の形やラベルのデザインなどに、日本の繊細さを感じる。

サントリーに一歩先駆けて、アメリカ市場を着々と広げているITO EN (North America) Inc.(伊藤園)だが、こちらも製品はボトルおよび缶入りの状態での輸入。その理由については、製造技術の詳細にふれるとかで断られてしまったが、日本ではごく当たり前で衛生上も法的にも問題のない事が、アメリカの規準に抵触して実行不可能な場合がある。いずれは一般向け商品はアメリカで製造し、高級品のみ日本からの輸入となるのではないだろうか。

大手2社が、RTD(Ready-to-Drink 缶入りやペットボトル入りのお茶)なのに対し、商品を抹茶に絞っているのがAIYA Co. LtdとAOI TEA Company。愛知県西尾市に本拠を置く株式会社あいやは、抹茶のトップメーカーであり、すでにアメリカ以外にオーストリアにも現地法人を持ち、世界各地で抹茶を販売している。アメリカでも抹茶は、すでに菓子や料理の素材としてや、グリーンティー・ラテなど飲料にも多く使われている。AIYAの資料によると、1gあたりに含まれる抗酸化物質の効力は、薬膳に使われるクコの実が303なのに対して、抹茶は1384と桁外れの数値を示している。AIYA、AOI共に、オーガニックおよびユダヤ教のコーシャーの認定を取得しており、安価な中国産とは一線を画している。オーガニック&ヘルシーのトレンドもあり、今後ますます市場は拡大していくだろう。

今回のエキスポでは、25のカテゴリー別にワールド・ティー・チャンピョンシップが開催されていた。グリーンティー部門のブレンド/フレーバーティーのカテゴリーで優勝したのが、静岡茶のSUGIMOTO U.S.A. Inc.(杉本製茶株式会社)の玄米茶。シアトルに米国法人を置き、高級食品チェーン店などに販路を開拓中だという。

多くの日本・日系企業の商品が緑茶であるのに対して、フレーバリーティーを中心とした「世界のお茶」を商品に出展していた企業が、LUPICIA Inc.(株式会社ルピシア)。日本でもおしゃれなお茶専門店を展開している企業だ。日本国外では既に、台湾に4店舗、韓国に2店舗、オーストラリア1店舗、アメリカ(ハワイを含む)6店舗のショップを経営している。直接アメリカの消費者と接点がある企業なので、消費者の傾向をチーフ・オペレーティング・オフィサーのOnogi氏に聞いた。
それによると、アメリカの購入者男女比のは女性6:男性4。男性はビジネスマンが多い。日本では女性購入者が95%(中心が20代後半〜40代)を占めている。現在は日米では大きく異なっているが、お茶の購入者が増えるに従って、日本の割合に近づいていくだろうと予測している。お茶のビギナーはフレーバリーティーのティーパック。その後ルースリーフティー(ティーパック状になっていない茶葉)へ、ノン・フレーバリーティーへと移行していく傾向があるということだった。日本で展開しているようなサロン付きのティーショップをアメリカでも展開してもらえたら、個人的に非常にうれしい。

お茶の関連商品として、人気を集めていたのがテトラ形ティーバッグを作る自動ティーバッグ包装機を出展していた不双産業株式会社。5年前からアメリカに機械を納入し始め、現在では40台以上納入しているという。ブースには来場者と出展社がひっきりなしに訪れ、説明を聞いていた。

今回のエキスポのプレミアムスポンサーとしてITO EN (North America) Inc.ゴールドスポンサーとしてAIYA Co. Ltdが名を連ねていた。また、Den's Tea Inc.(白形傳四郎商店)では、プレジデントでもあり緑茶インストラクターのDen Shirakata氏による「Forcused Tasting」を開催していたが、セミナーは人気で早々に売り切れとなっていた。

特別イベントエリアでは、日本の茶道(裏千家)、韓国と中国のティー・セレモニーが公開されていた。立ち見も出ている会場では、点前が行われている間に雑談をする人もおらず、みな熱心に舞台を見入っており、その関心度の高さと熱心さは印象的だった。

(T.M.)






  FMI (Food Marketing Institute) Show (2008/5/4-7)

2008/5/4 -7 Mandalay Bay Convention Center (Las Vegas)

Food Marketing InstituteFood Marketing Instituteは、米国内および世界中のフード関連小売業とホールセラー約1500社がメンバーとなっている業界団体である。

日本でも業界にはよく知られているFMIショー。国際的なコンベンションであり、キーノートスピーチや主なセッションには、日本語、ポルトガル語、スペイン語の同時通訳がつく。日本からは今年も300名ほどが来米した模様で、会場を歩いていても、日本からの団体参加者を多くみかけた。

コンベンションは日曜日午後のキーノートスピーチで開け、翌月曜日から展示会が始まり、水曜日まで各セッションが開催された。今回の出展社数は約600社。年々縮小傾向にある。

Green to Gold今年のキーノートスピーチは、ウィンストン・エコ・ストラテジーの創設者でもある、アンドリュー・ウィンストン氏による「GREEN to GOLD」。直訳すると「環境は金になる」だろうか。
これまでは、環境対策は企業にとってコストに過ぎなかった。しかし現在は、環境対策を無視する企業は消費者から支持されなくなっている。地球環境に関しては、従業員も消費者も利害関係者であり、これを上手くブランディングに取り入れている企業は業績を伸ばしている。いかに環境対策に取り組み継続し、それを一般に認知させていくか。これが企業にとって大切な課題となるとのことだった。

5 日に開催されたスーパーセッションでは、Food Marketing InstituteのCEO、ティム・ハモンズ氏が、食品業界の現状について語った。それによると、食品スーパーの売り場面積は年々縮小傾向にあり、都市部への出店が増えている。昨年からの食料価格の高騰だが、現在有効なヘッジ・コントラクトが切れた後、さらに値上がりする見込み。インフレにより外食回数が減り、家庭で食事をとる回数が増えている。栄養について、食品の安全性などの情報を消費者は求めているとのことだった。

展示会への出展企業は食品もあるものの、ショーケース、ショッピング・カート、レジシステム、店内サイン、厨房機器、パッキングや野菜カットなど食品加工機械、食の安全性コンサルタントおよびトラッキングシステム、など。展示会場でもGREENをテーマにしたものが目立つ。

明治製菓日本企業としては、レジシステムで富士通、店内サイン用のプリンターで沖電気、レジ用プリンターでエプソンが大きなブースで出展。他には、明治製菓が現地企業を買収してすでにメインストリームに商品を流しており参加。最近は、MEIJIブランドのお菓子も市場に投入してきている。サロンパスの久光製薬がすでに日系スーパーとドラッグストアへの商品流通網はできているので、米系スーパーへのルート開拓のために出展していた。

アメリカでは、最近になってようやくスーパーのレジ袋を使わない運動が始まったが、ショッピング・カートもそれに対応したものがヨーロッパ企業から展示されていた。

(T.M.)





  Natural Products Expo West / Supply Expo 2008 (2008/3/13-16)

2008 年3月14日〜16日までアナハイムコンベンションセンターで開催された第28回ナチュラル・プロダクツ・エクスポ・ウエストには、3,392社が出展し、来場者は昨年比11%増の52,000人だったと発表された。ナチュラル・オーガニック業界は、年々拡大しており、米国だけで570億ドル市場と言われている。今後もますます伸びる業界であることは確かだ。

今年の特徴

ドリンク
05 年〜06年にかけては、コーヒーブームで、オーガニックコーヒーのブースが数歩ごとにあった。07年はハーブティブームで、コーヒーを越す勢いのブース数があった。08年はグリーンティーが驚くほどのブームになっていた。グリーンティの成分が体に良いとか、ダイエットに最適だとか報道がされたことをきっかけにアメリカで人気がでたグリーンティー。アメリカのグリーンティーは、私達が知っているお茶からはほど遠い。まず甘い。そして、フレーバーがついている。レモンフレーバーに、ラズベリーフレーバー。日本からは、大手の伊藤園や、数社の中小のお茶メーカーが出展していた。伊藤園でも、アメリカ市場向けに、フレーバーを加えたものとストレートのお茶を販売していたが、アメリカでは圧倒的にフレーバーを加えたものの売上げの方が多いそうだ。最近のアメリカの市場は、トレンドの移り変わりがかなり激しい。このグリーンティーブーム、どれぐらい続くのだろうか。この数年の動きを見ていて思うが、2年連続でホットな商品は少ない。と言うことは、このブームも今年が最大なのだろうか。豆乳ブームも一段落したようで、以前ほどブースが多くなかった。エナジードリンク系、ミネラルウオーター系も減少傾向のように感じられた。

日本食材
昨年度より出展企業が減少しているように感じられた。今までは、こちらに拠点を持たず、テストマーケティングのために出展している企業も多かったが、そのあたりが減少したものと思われる。お茶、日系商社、味噌メーカー、豆腐メーカー、そして今年から、大塚製薬のSOY JOY、ヤクルトが出展していた。ノースキャロライナ州産のわさびメーカー(米系)、その他、韓国、中国系のうどんメーカーなどが出展していたが、あまり勢いは感じられなかった。日本食材に関しては、いまいち日本食ブームに乗り遅れているような感じがする。

昔、日本でイタリア料理のスパゲティと言えば、ミートソースやナポリタンパゲティだと思っている人が多かった。しかし、実際には、日本のミートソースや、ナポリタンスパゲティのスタイルの味のスパゲティはイタリアには存在しない。大都市部では、本格的な日本食が浸透しつつあるものの、アメリカ全体でみると、テリヤキチキンやアメリカスタイルのお寿司が日本食だと思っている人も少なくない。比較するとわかりやすいので、日本のイタリア料理を比較するが、イタ飯ブームがあり、日本で一般化したイタリア料理。しかしながら、家庭でピザを焼く人はそれほど多くない。本格的イタリアの食材を使って本格的なイタリア料理を作る人も少ない。まず、本格的なイタリア料理の味を知らない人がほとんどである。日本で一般化したイタリア料理ですら、まだまだ市場が成熟していない。それと同じように、アメリカでは日本食ブームにはなっているものの、まだレストランで日本食を食べる時代で、一般家庭で日本食を料理するまで市場は成熟していないように思われる。

業務用としての進出には可能性を感じるが、一般市場での日本食材の販売については、完成品以外での進出はかなりのチャンレンジがあるのではないだろうか。逆に言うと、アメリカの経済が不安定になってきている現在では、飲食業の売上げに大きな打撃を与えるといわれている。その分、家庭での食事が増える。日本と比較すると、家庭で調理する率は非常に低い。そのために、テイクアウト、惣菜の需要が高い。日本食の冷凍やレトルトの完成品でのアメリカ市場進出は大いに可能性があると思われる。

その他の食品及び食材
乳製品の高騰により、昨年よりチーズを含む乳製品の出展企業が若干減少したように思われる。業界全体として、オーガニックが特別なものでなくなってきており、品質もかなり安定している。アメリカ人の味の嗜好が変わってきるのが、この数年の会場での試食で感じられた。味はかなり良くなっている。それに加え低脂肪、抵糖分、低塩分がナチュラル系の基本になっており、味も薄くなってきており、私達日本人には受け入れやすくなってきている。

Yakult U.S.A. inc.:ヤクルトはすでに日本国外30カ国以上に商品を販売しているが、アメリカ市場への参入を本格化させたのはごく最近のことだ。展示会場で、バイスプレジデントのSatoi氏とセールスマネジャーのTonegawa氏に話を伺った。

アメリカ市場への参入は、1999年より開始し2002年まではアジア系市場中心に展開。ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨークを固め、2004年からはメキシコで25年間売ってきた経験を背景にヒスパニック市場に参入。2007年より現地PRマネージャーを採用し本格的にアメリカのメイン市場に参入し始めているという。

昨年10月からはTVコマーシャルも始まり、ロサンゼルスマラソンなどのイベントでの配布を始めている。スーパーマーケットは、米系大手のラルフス、アルバートソンズ、ブリストルファームズなどに、すでに流通させている。

ヤクルトの大きな特徴は、その流通方法だろう。大手スーパーとは直接取引。週に1回は店を訪問し、商品の日付を確認。店からのフィードバックをもらう。また、週末には店頭デモンストレーションをしているという。今回のエキスポでは、テキサスなどからも引き合いがあったが、店頭の商品管理ができないために、販売網を遠方までは伸ばせないという。2008年中に南北カリフォルニア州の販売網を整備し、その後内陸部に展開予定。

もう一つの大きな特徴が、「プロバイオティクス」の認知教育に力を入れていること。ハーバード・メディカル・スクールのドクター・アレン・ウォルカーとともに、その重要性を啓蒙している。ヤクルトが70年前から始めていた「プロバイオティクス」は、アメリカでは最近まであまり知られていなかったが、最近はブームになりつつある。主催者が発表した新商品のトレンドのなかにも、プロバイオティクスの名前があげられている。

ITO EN (North America) Inc.:以前から何回か書いている緑茶のITO ENだが、今回はシニアマネジャーの佐藤氏に話を伺った。

ITO ENは、昨年頃より西海岸にも精力的に展開し始めている。コスコやウォルマートなど、ここ南カリフォルニアの大手チェーンスーパーのっほとんどで、商品を見ることができる。

伊藤園は米国法人ITO EN (North America) Inc.を2001年に設立。ヨーロッパ市場も視野に入れ、戦略的に本社およびフラッグシップ店をニューヨークに置いている。翌2002年よりフルーツテイストの甘味無添加ボトル緑茶TEAS' TEAを発売。現在は日本でもよく知られた「お〜い、お茶」を市場に出しているが、シェアとしては、フルーツフレーバーの方がまだ遙かに多いという。

アメリカ法人設立前の市場調査により、ティーパックの市場がすでにあることは把握していたが、あえてティーパック市場には参入せず、ボトル緑茶にしぼっているそうだ。アメリカでは緑茶サプリメントが増えてきているが、日本側のWebサイトによると、グループ会社としてフロリダにサプリメントの製造販売を行う関連会社Mason Distributors, Inc.がある。

アメリカでは、Go Green!と環境に配慮する活動が盛んになっているが、これが緑茶のGreenと重なることと、日本で環境対策の実績があることを背景に、ブランド構築を急いでいる様に見うけられる。日本の大手飲料メーカーもアメリカ市場を狙っているため、アメリカの緑茶市場はさらに拡大しそうな気配だ。

House Foods America Coproration:日本ではハウスといえばカレーで有名だが、アメリカでは豆腐でよく知られている。今回は、セールスマネジャーのHorikawa氏に話を伺った。

ハウスは、カレー専門レストランも展開しているが、今回はナチュラル・プロダクツエキスポということで、豆腐関連商品のみでの出展した。2006年にニュージャージーに豆腐工場が完成し、全米への商品供給が可能になっている。現在の人気商品は、「豆腐しらたき」。女性誌などにダイエット食品として頻繁に取り上げられ、絶好調の売り上げだという。この商品は、しらたきと豆腐を一緒にしたもので麺になっている。幅広のものからエンジェルヘアーまで、3種類。炭水化物がパスタの1/20で、糖尿病患者にとっては、パスタの代用食品になっている。ベジタリアンの間では「マジック・ヌードル」と呼ばれているそうだ。

Morinaga Nutritional Foods, Inc.:豆腐をアメリカに広めた男で有名な雲田氏が設立したMori-Nuだが、南カリフォルニアなど日本食材が手に入りやすい市場では他社の方が勝っている感がある。もっともMori-Nu豆腐の強みは、常温で長期保存ができること。日本食材が手に入りにくい地域では、貴重な日本食材だ。アメリカ人市場への取り組みにも歴史があり、豆腐になじみがない人でも食べやすいように味付け済みの豆腐を数多く商品化しているが、これが結構おいしい。

展示会場でテクニカル・マネジャーの Yanagida氏に話を伺った。
Mori-Nuは4年前から、工業用原料の豆腐を製造・提供している。豆乳が原料では、商品にTofuの名前は使えないが、この原料はいったん豆腐にした後、再び液状にしているためTOFU●●という名前が使用可能になる。アメリカでTOFUは、健康食品として広く知られており、TOFUバーガー・ミート、TOFUブレッド、TOFUパスタ、TOFUジェラートなど健康志向の波に乗って用途は伸びているという。

SOYJOYそのほかの日系企業としては、本格的な高級緑茶&抹茶でアメリカ人市場に参入しようとしている愛知県の葵製茶、アメリカ人市場を着実につかんでいそうな日本香堂、シルバースポンサーになっていた大塚製薬のSOYJOY、公式カタログの裏表紙を飾った協和発酵などが目を引いた。

(T.M.)





  NASFT Winter International Fancy Food & Confection Show (2008/ 1/13-15)

San Diego Convention Center 2008年1月13日〜15日

お菓子、高級食材のトレードショウ。1955年から続いているショウで、今回で33回目の開催。出展社約1100社(40カ国)、商品数140,000点以上、来場者約16,000人。来場者は、専門食品店、レストランやホテルのシェフ、流通・ホールセラーが半分を占める。

展示会をざっと見渡して、印象的だったのがチョコレートの出展が多いこと。アメリカ人のチョコレート好きは知ってはいたものの、右を見ても左を見てもチョコレートというのには、正直驚いた。出展社を数えてみると、チョコレート270社、ホット・チョコレート・ドリンク20社、焼き菓子のココア&チョコが40 社ある。出展社は、全米から集まっており、海外からの出典もある。ここに来れば多くの種類を試食して、気に入ったものをその場でオーダーすることができるわけで、アメリカの展示会がトレードショウであることを改めて実感させられた。反対に、アメリカという広い市場では、こういったトレードショウを利用しなければ、売り手と買い手が巡り会えないわけだ。

もう一つ印象的だったのは、茶のブースが多いこと。コーヒーが43社だったのに対して、茶は79社が出展。10年前から出展しているというスリランカの紅茶メーカーに聞くと、ここ2〜3年で急激に増えたとのこと。もちろん「茶」の中には、中国茶、紅茶、ルイボスティーなどが含まれ、まだ日本茶はその中の一つに過ぎない。緑茶は抗ガン作用などその効用が注目されているが、FDA(Food and Drug Administration)ではまだこれを認めていない。しかし、注目度が高いことは確かで、TVなどでも「ダイエットのために、コーヒーをグリーンティーに替える」というような発言が聞かれるようになっている。グリーンティー・ダイエット・サプリメントなども登場しており、近々ブレイクするのではと思ってみている。日本企業としては、伊藤園が奮闘している。伊藤園はすでにCOSTCOにも商品を流して、着実にアメリカ市場に食い込んできているようだ。

アメリカ、特に都市部では日本食が人気になっているが、これは表面的なブームではないようだ。なんと、本ワサビ(Wasabia Japonica)を作っているアメリカ人たちに出会った。日本からの空輸品かと聞いたら、自分たちでノースカロライナで栽培しているとのこと。日本で一般に市販されているワサビは、西洋ワサビ(horseradish)が多いが、彼らは本ワサビに特化している。本わさびの根茎をネット販売しているほか、粉ワサビ他、ナッツ、ドレッシングなどの商品を揃えている。




  Western foodservice & Hospitality Expo 2007 (2007/8/18-20)

Western foodservice & Hospitality Expo 2007が、8月18〜20日、ロサンゼルスコンベンションセンターで開催された。

この展示会は、レストランやホテルなど、飲食&ホスピタリティ・ビジネスに関わるプロフェッショナルたちを対象にしたトレードショウである。スポンサーは、カリフォルニアレストラン協会(California Restaurant Association)。100年以上の歴史を持つ団体で、州内22,000以上のフードサービス団体・企業が加盟している。

今回のキャッチコピーは、「Food is only half the story.」日本語にすると「食べ物は筋書きの半分でしかない」とでもなるだろうか。

印象として、よりマネジメント向けになっていると感じた。有名シェフによるキッチンスタジアムや新しい食材の紹介もあるものの、試食が目当てで来た人にとっては、肩すかしを食わされた感があるだろう。そのためか、オーブンのデモンストレーションで焼き上がったパンに人が群がり、デモンストレーターが「うちは、パンじゃなくて、オーブンなんだ!」と叫ぶ一幕もあった。

厨房用品の中では、オーテックの寿司メーカーと回転寿司コンベアは、相変わらず人気だ。シャリ玉メーカーの改良版が出ており、より整った形のシャリが作れるようになっている。ロール寿司メーカーとカッターも活躍していたが、もう少しきれいにできないものかと考えてしまった。おそらく、機械で寿司を握るという前提では、そういう細かいことを追求する段階ではまだないのだろう。

そのほか、厨房用品、レストラン家具などが昨年より増えているが、特に人気を集めているブースは見あたらない。

食材では、昨年目立った大豆を使った代用食品は姿を消し、一般の食品に大豆が入っていることを謳う食品が増えていた。健康志向は相変わらずで、トランス・ファットゼロ、ヘルシー、ナチュラル、オーガニック、ローカロリーが大きく謳われていた。

今回、目立ったのがコーヒーとその関連商品の多さ。一社でコーヒー豆からコーヒーメーカー、ウォーマー、消耗品まで揃う。スターバックスとマクドナルドのグルメコーヒー戦争に、他社も参戦して、コーヒー市場はますますホットになりそうだ。

コーヒーと供に拡大してきているのが茶の市場。新商品として電気ポットと保温ポットを展示していた象印の担当者によると、ここ5年間で市場規模が倍に広がるデータが出ているのだという。

スターバックスのグリーンティー・フラッペチーノはすでに有名だが、緑茶を新しいフレーバーとして取り入れている飲料メーカーも増えている、緑茶人気はしばらく続きそうだ。緑茶が身体に良いことが分かっていても、カフェインの含有量がコーヒーより多いことを気にするアメリカ人は多い。その層を狙ってか、茶の専門店がカフェインフリーのボトル緑茶を新しく発売していた。試飲したが、日本の緑茶よりもっと軽く、フルーツ香が強い。

日系企業の動きとしては、現在現地工場を建設中のマルコメ味噌が出展。試食した味噌ケーキも味噌づけチキンも味噌汁もおいしかったが、どうしても味噌=味噌汁の領域から抜け出していない印象を受ける。「豆腐は白くて四角い」というイメージから脱却しなくては豆腐が米系市場に入っていけなかった前例を考えても、思わぬ思考の変換が突破口を見つけそうである。

日本の印刷会社が、在ロサンゼルスの商社と組んで進出しているのには正直驚いた。話を聞くと割り箸、箸袋、紙ナプキン、ペーパートレーなどに和の模様を印刷して納品しているという。日本食レストランの増加に伴い、取引量が増えているため今回の出展となったようだ。

政府出展で目立ったのが、タイと韓国。タイはキッチンを用意し、タイ米の説明に余念がない。説明していたシェフは、タイでは有名な人だという。

韓国は、海水産物の企業を6社まとめて出展。日本語で「明太子」と大きく書かれたポスターを見つけていくと、韓国人青年が流ちょうな日本語で説明してくれた。日本には、すでに商品をだいぶ輸出しているらしいが、アメリカでも同様に販売したいとのこと。アメリカの日系市場は狭いし、白い炊きたて御飯に明太子を乗せて喜ぶ人は少ない。この企業も、マーケティングが今後の課題だろう。韓国政府はこの6社の他に120社のデータが掲載された輸出用シーフードのカタログとDVDを配布しており、かなり本気で海産物の輸出拡大を狙っている模様だ。しかしアメリカ輸出に必要な工場のHACCP対応ができている企業が約1 割しかなく、これからだと思われる。

サイトを調べていて興味深かったのが、出展者向けにいかにコンベンション参加で結果を出すか、というノウハウ教材が売られていたことだ。Trade Show Successと名付けられたこの教材は、前準備、当日の戦略、終了後と3部構成でDVDが各3枚ずつ合計9枚。3部合わせて495ドルだが今回の出展者には275ドルで提供とある。発表会的な要素が近い日本と異なり、その場で具体的な商談になるアメリカのコンベンションならでは、といえそうだ。

今回の韓国企業も同様だったが、日本の企業でいきなりアメリカのコンベンションに参加する企業がある。しかし、アメリカのコンベンションは、日本の展示会とは根本的な目的が異なる。自ら参加する前に一度、今回の様なコンベンションを訪れ、しっかり準備をしてから参加することをお勧めする。




  Natural Products Expo West / Supply Expo 2007 (2007/3/9/-11)

世界最大のナチュラル、オーガニック、ヘルシープロダクトのエキスポである、ナチュラル・プロダクツ・エキスポ・ウエストが、2007年3月9日から11日までの3日間、カリフォルニア州アナハイム・コンベンションセンターで開催された。今年の来場者は、47,000人以上。出展は3,162社。期間中に開催されたセミナーは70以上。

Natural Foods Merchandiserの調査によると、最近のナチュラル&オーガニック製品の市場は、毎年9.1%の伸びを示す成長産業となっている。

出展は、農産物および加工品、生鮮食品、冷凍食品、ビタミン&サプリメント、ヘルスケア、ハーブ・メディカル製品、食糧雑貨、ナチュラルホーム&テキスタイル、パッケージ、器材、ペット商品、サービス、など。毎年来場している人によると、ここ数年、食品関連の出展数が増えているそうだ。

日本企業の出展も多く見かけられた。
見ていると、日本企業のブースは大きく2つに分けられるのがわかる。一つがすでにアメリカ社会に溶け込んでいる企業。もう一方が、在米年数に関係なく溶け込んでいない企業。

前者の代表的なものがKyolic(Wakunaga of America Co., Ltd. 湧永製薬)と緑茶のITO EN (North America) Inc.(伊藤園)だろう。

Wakunaga はハワイに法人を設立したのが30年以上前。アメリカ本土で商売を始めてからも20年以上の企業だ。湧永製薬は日本ではキヨーレオピンで有名だが、液体のキヨーレオピンを粉末カプセルにしたのが、Kyolic。ホールフーズの様なハイエンド・オーガニック系スーパーマーケットでも見かけるサプリメントだ。

一方、ITO EN (North America) Inc.はアメリカ法人設立が2001年とまだ新しい。最初の1年間市場調査を行い、本格的にビジネスをスタートさせてから4年。現在、ニューヨークに会席料理レストラン、その階下に日本茶の店を経営し、美味しい緑茶の普及と健康飲料としての緑茶の啓蒙に努めている。その一方でCOSTCOなど量販店へも大量に商品を出荷している。量販店の店頭で、「お〜い、お茶」と日本語で書かれた缶やペットボトルを見かけることも多い。

アメリカ市場での年月には差があるものの、この2社の共通点は、妙にオリエンタルさを強調することなくビジネスを行っていること。ブース内もアメリカ人たちが主体となって動いている。

あるレストラン経営者から聞いた話では、サーバー(ウエイター&ウエイトレス)に男性を入れると男性客が増える、白人を入れると白人客が増えるそうだ。つまり、アメリカ人相手に商売をしたいのなら、アメリカ人社員にセールスをさせることが必要、ということだろう。

これから進出してこようとしている日本企業は、当然のことながらアメリカ社会にまだ溶け込んでいない企業の代表だ。資料やサンプルを要求しても整備されていないなど、準備不足が目立つ。とあるビューティ関連プロダクツの出展社は、想定外の大口取引が舞い込んだものの、流通網が整備できていないためにこの機会を生かすことができないという。

これだけ国土が広く企業数も多い国では、業界企業が一堂に集まるこれら展示会の場を逃したら、目的の商品や製造者に次の年になるまで巡り会えないなどはざらである。そうなると展示会は具体的なビジネスの場となる。日本から出展する企業も、具体的なビジネスができるだけの準備ができていなければ、せっかくチャンスをつかめないで終わってしまう。出展するにはそれだけの時間と費用がかかっているはずだ。もったいないと思うのだが。

(T.M.)









グローバルメディアコーポレーションのロゴ

Copyright © 2004 Global Media U.S.A., Inc. All rights reserved.