2022年5月2日

革新なくして伝統なし 〜ライフスタイルの価値創造に取り組む傘のオカモト〜

2020年、創業120年を迎えた傘のオカモトは、「日々の生活に彩りを添える華のように、あなたにとって最も身近な傘でありたい」との想いからオリジナルブランド「CACA」を発表。たかが傘、されど傘・・・、オカモトの「CACA」が産まれたストーリーを岡本氏に聴いた。


株式会社オカモト
営業部長
岡本一健

創業120年の会社ということですが、創業当初はどんな傘づくりをされていたのでしょうか。

番傘を生産していました。山で取れた竹を削って作った骨組みに、わらび粉を溶いた糊で和紙を貼り付けていました。創業から昭和初期までは番傘を、その後はライフスタイルの変化に伴い、現代とほぼ同じスタイルの洋傘生産にシフトチェンジしました。

番傘生産時代の頃

現在のオカモトの傘の種類、ラインアップを教えてください。

紳士用、婦人用、子供用の傘を生産していて、種類は雨傘、日傘、晴雨兼用傘の3つです。 傘のスタイルは長傘 ( 通常8本骨、多間16本骨、24本骨 )、 折りたたみ傘、ミニチュア傘です。カラーバリエーションを含めると1,000種類以上の商品を管理しています。



オリジナルブランド「CACA」登場のキッカケは?

今後、日本の消費者人口は減少していく一方です。これからの新しい市場としてインバウンド、海外のお客様に訴求するにあたりあらたな切り口で日本ならではの商品開発をスタートさせたことがキッカケです。

「CACA」ブランドに込めた熱い想いについて

「CACA」ブランドに込めた熱い想いについて
CACAの「 CA 」 は漢字の「 華 」 という字の読み方の音から派生したものです。日々の生活に彩りを添える花のように。そしてお使いいただく方にとって一番身近な傘でありたい。華やぎが連なって人と人との輪がつながっていって欲しいという願いを込めて名付けました。

「CACA」の他の傘との違い、特色は?

「日本(和)」を感じさせるデザインがベースで、3つのバリエーションです。
第一に誰もが一度は目にしたことのある、葛飾北斎や東洲斎写楽などの日本の伝統的な浮世絵の名作をモチーフにしたインパクトのあるデザイン性です。第二は静寂の中、散りゆく桜に美しさを見出す、日本古来の美意識を表現した「 夜桜 」です。そして、三つ目は今触れました二つとの対極にあるモノクロームの生地とシャープなラインで日本のわびさびの精神性の表現です。
また、持ち手をストレートタイプで透明度の高いアクリル素材にすることで、古風なデザインとは対極の近未来のイメージもミックスしています。

今後はどのような展開を考えていらっしゃいますか?

アフターコロナ時代を見据え、国内外の市場にアピールし傘で世界を活性化していきたいです。

岡本さんにとって「CACA」とは?

2021年、たくさんの方の支えのお陰で創業120周年を迎えることが出来ました。これからも末永く愛していただけるような商品を作り続けていきたいと思っています。CACAはこれから先の100年に向け、我々が一歩一歩進んでいくための道しるべと捉えています。