「競争から共生へ ~より質の高い暮らしと社会を目指して~」

私たちはCSR(企業の社会的責任)を実践する上での重要分野である経済、社会、環境の3分野に加えて、子供たちとその教育の分野に最も大きな関心と期待を注ぎ、様々な価値ある取り組みを推進しています。

経済

企業はより良い製品やサービスを提供することで、人々の暮らしや社会の質的向上に貢献し、その活動によって得た収益を税等のかたちで社会に還元します。収益を増やすことでより多く社会的還元が可能となるため、企業は持続可能な発展を継続しなくてはならないと考えています。

環境

グリーンに関わる問題は私たちの生存にとって喫緊の事柄です。今や企業のみならず個人においても環境への取り組みは、nice to doからmust doにシフトしています。こういった認識と危機感にたって、私たちは地球に優しい企業の応援団を目指し、様々な活動にも取り組んでいきたいと考えます。

社会

私たちの持つ強みと資源は何か?社会的ニーズやステークホールダーの期待を考慮しながら、何において最も当社が貢献でき、最も本領の発揮ができるかを常に考えた取り組みを心がけています。競争から共生への意識変革を行い、日々の活動の質と価値を高めることで、企業の存在価値も高まっていくものと考えます。

教育

この地球の未来を背負って立っていくのは、今の子供たちや若い世代の人たちです。その未来を託す子供たちや若者に一番大切な一つが教育です。その道先案内として彼らの進む道に常に灯りを与え続けられる灯台の役割を果たすことが私たちの社会への貢献と考えています。自分たちの強みと資源を活かした社会還元プロジェクトに取り組んでいます。

 

私たちの社会貢献活動

米国のBoys Town(ボーイズタウン)と私たちの関わりは2004年に遡ります。児童養護に関する研修の準備・運営をPCO(Professional Congress Organizer)の立場からサポートさせていただいたのが最初でした。2004年から毎年連続してロサンゼルスでボーイズタウンによる研修が開催され、2008年10月には初めて東京でボーイズタウンから特別講師の参加を得て特別セミナーが開催されました。現在はコモンセンスペアレンティング(幼児版)の事務局支援をしています。

コモンセンスペアレンティングとは?

ペアレンティングとは「親として子供を世話し育てる」ことを意味します。コモンセンスは「常識」という意味ですから、平たく日本語で言えば、「子育ての常識を学ぶプログラム」ということになるのでしょうか。ボーイズタウンによって開発されたコモンセンスペアレンティングは、ペアレンティングを学びたい人たちやそれを知らないがゆえに子供を虐待してしまった家族を助けるため、全米の各州で幅広く用いられています。日本でも児童養護施設等をはじめ、様々な分野において広く受け容れられるようになりました。既存のコモンセンスペアレンティングのプログラムは、その対象が小学生高学年以上に設定されているため、幼児編の作成が望まれていました。多くの虐待が幼児や低年齢の児童に集中しており、その現実に対応する必要があったためでもあります。そんな背景のもと、ボーイズタウン病院の小児科医アン・ラッセル博士とボーイズタウンのコモンセンスペアレンティング担当のブリジッド・バーンズ女史等が協力をして、幼児を対象とした「コモンセンスペアレンティング幼児編」が世に問われることとなりました。

Boys Townとは?

ボーイズタウンは、フラナガン神父によって創設された全米最大の児童養護プログラムの団体です。全米で8万人の子供を養護し、ネブラスカ州オマハにあるボーイズ・タウンのキャンパスには、様々なニーズに応じたグループ・ホームや病院の施設等があります。全米にグループ・ホームを持つだけでなく地方自治体のプログラムや教育委員会、家庭裁判所のプログラムのコンサルタントも行っており、カリフォルニア州オレンジ郡にある全米で最も先進的なシェルターはボーイズ・タウンの協力によってつくられたものです。

ボーイズ・タウンの特徴は、子供の行動に着目し、その卓越したシステムと職員教育により専門職としての職員の技能を伸ばし、その技能を十二分に生かすことによって子供達の行動を修復していくところにあります。訓練を受けた直接処遇職員は、スーパーバイザーとの細かい連絡をとりながら一人一人の子供に必要とされる社会的な技能を指導する為に適切な指導を行います。児童養護に情熱を持つ者が、燃え尽きることなく自信を持って適切な養護を行う事こそ、大切なのです。

参考Webサイト | Boys Townのホームページ

針供養という習慣

針供養という習慣を皆さんはご存知でしょうか。針供養とは、折れた縫い針を供養し、近くの神社に収める行事をいいます。針の使用を謹んで、針仕事を休み、古針を豆腐やこんにゃくといったやわらかいものに刺すことで供養し、裁縫の上達を祈りました。関東では2月8日、関西では12月8日に行う所が多いと言われています。

私が最初に就職をしたのが、国際会議の企画・設計と運営・監理を専門とする会社で、1980年のことでした。関西出身の社長は、針供養と称し、「日頃、我々は国際会議の仕事で食べさせてもらっている。よって、何か人様に役立つテーマで国際会議を自腹でやることで社会や業界に恩返しをしよう。」ということで、毎年12月「世界子供の国際会議」を行いました。

そのテーマは「21世紀の大人たちへのメッセージ」。当時、駆け出しだった私は、毎年秋口頃から通常業務とは別に国際会議の準備に取り組みました。東京およびその近辺のインターナショナルスクールを中心に会議開催パンフレットと大きなポスターをもって出向き、直接校長や生徒に国際会議の参加を呼びかけました。会議当日は、10数カ国を代表する子供たちが、東京の日本青年館に集い、大人へのメッセージを発表してくれ、また発表は同時通訳を介すことで、子供たちに国際会議の醍醐味を体験してもらい、海外の子供たちとの交流を愉しんでもらいました。私は純粋で屈託のない100%無垢な子供たちのメッセージを聞きながら、毎年1年の心の垢を洗い流していたように思います。社会へ還元することが実は回りまわって自分のところに戻ってくる、まさに、善循環・好循環サイクルをつくる作業がCSRであり真のsustainabilityであると思います。

私のCSR活動, Sustainabilityの概念はすでにそのときにスタートをしていました。しかも、自社の強みと資源を最大限に有効活用したその考え方と取り組みは、針供養という日本の古き良き伝統と習慣を参考としたものでした。決して、カッコウをつけ無理をしてやるものではなく、自社の素の良さを発揮できる分野で何か還元できること、それが最初の一歩ではないかと考えます。

Global Media Corporation
代表取締役 利根川正則