2011年3月5日

FOODEX Japan 2011

3月1日から4日まで、FOODEX Japan 2011が千葉・幕張メッセで開催された。アジア最大級の食品・飲料専門展示会として、1976年より毎年開催され、今年で36回目を迎えた。出展者・来場者双方のビジネス拡大の場として、関係先から高い評価を得ている。展示規模は世界63カ国・地域から約2,399社 (国内:992/海外:1,407) が出展した。

展示会が単なる「展示の会」に終わっては意味がない。「実需」につながるものでなくてはならない。出展者のミッションが遂行できる展示会でなくてはならず、展示会を主催する側、出展する側の両方の努力がシッカリと求められる。主催者であるJMAは毎年新たな試みをしている。今年のひとつの成功例として、Foodex事務局が行った展示場内での日本のバイヤーと海外出展者との商談会のセッティングを挙げることができる。例えば、弊社がサポートしているトルコからの食品企業数社はイオンのバイヤーとの商談会を持つことができた。殆どの海外出展企業および関係政府は、事前に日本のバイヤーとのアポイントをとるだけの時間的余裕とその手立てをもてない。今年が最初の試みではあるが、実需に繋がる継続プログラムとして欲しい。

一方、JETROはFoodexの場で、日本産農林水産物・食品の輸出促進に向けた活動の一環として、「ジェトロ食品輸出商談会」を実施している。Foodexの隣接会場にブースを設け、海外販路開拓に意欲のある日本企業と海外バイヤーとの商談会をここ何年か開催している。商談は事前予約制とし、1社につき40分の商談時間。今年はアジア、北米、欧州、中東等から食品分野の輸入業・卸業等約40社の海外バイヤーが来日した。約1000社近い国内出展者の中で海外マーケットを視野にいれている企業が約4割近くある現状を踏まえれば、今後ジェトロと民間専門企業との協働支援が日本のSMEsに向けて加速されるべきである。

弊社では、昨年に引き続きスペイン政府の出展者向け関連サービスをサポートした。スペインからの出展企業は例年120から130社に及ぶ。出展に向けてのオフィシャルカタログやパンフレットの制作、食品関連企業(輸入業・卸業)のリスティング強化、招待状や案内の発送、言語サービス、セミナーの運営を含む事務局支援を行っている。Foodexの開催期間中、出展者セミナーが並行して開催される。出展企業は申し込みが無料、聴講も無料、1セッション/60分、定員50名となっている。多くの場合、生産者と取扱商品の概要説明とテイスティングを組み合わせたプレゼンテーションが中心である。今年は韓国、台湾、ウルグアイ、メキシコ、アルゼンチン、アメリカ、トルコ、ベルギー、チュニジア、セルビア、タイ、ドイツ、オーストリア、スリランカ、そしてスペインといった多くの国がセミナーを実施したが、唯一、「事前登録制」としてセミナーを実施したのは、弊社がサポートをしたスペイン政府のみ。セミナーテーマは、「スペイン豚肉産業について ~世界4位の豚肉生産国~」であった。事前の面倒な事務局作業を手を抜かずにやること、これが市場参入と市場拡大における重要ポイントであり、スペイン産の商品が日本市場において大きなプレゼンスを獲得している背景にはこういった取り組み努力があるからに他ならない。