2012年12月20日

「ポーランドにおけるシェールガス」ビジネスランチョン

2012年12月11日(火)、ホテルオークラ東京・別館 ケンジントン・テラス (12F)にて駐日ポーランド共和国大使館およびPCCIJ・在日ポーランド商工会議所の共催事業として「ポーランドにおけるシェールガス」をテーマにビジネスランチョンを開催。第1部では「ポーランドにおけるシェールガス -その現状と可能性-」と題してパヴェウ・ポプラヴァ博士による講演。

同博士は ポーランドエネルギーインスティチュートのチーフスペシャリストであり、石油予測研究部門の主席も兼務。第2部では「ポーランドにおけるシェールガス -法的な観点について-」と題して、PCCIJ会員でもあるワルシャワ在住の弁護士デービッド・デベネデッティ氏に話してもらった。

ここでは、上記お二人の話の内容の紹介ではなく、むしろ、現在のシェールガスを取り巻く状況について、簡単な背景説明をしておきたい。実は近いところで更なる詳細なシェールガスセミナーを開催したいという意向があり、その際に詳しく皆様にはお伝えさせていただきます。

シェールガスの現状

世界で最もシェールガスの生産が盛んなのは、シェールガスの埋蔵量世界2位のアメリカである。天然ガスは熱効率が優れ、二酸化炭素の排出量も少なく、化石燃料の「優等生」と言われ注目を集めている。中東・中南米・中国のほか、欧州でも、大量のシェールガスの埋蔵が確認されていて、世界の資源地図を塗り替えるという声も出ている。 そんな中、ポーランド国内に大規模なシェールガス層があることが示唆された。 2010年4月、アメリカ合衆国エネルギー省がポーランドには5.3兆立方メートルのシェールガスが埋蔵されていると結論づけ、これはポーランド国内の天然ガス使用量の300年分に相当するとのこと。 一方、開発に莫大な費用がかかること、先端の採掘技術を持つ米国企業の支援なしでは開発が難しい点などが指摘できる。環境面でも、破砕に必要な化学薬品や地中に漏出したメタンが水源や土壌を汚染する危険性があり、加えてメタンの大量漏出は地球温暖化を加速しかねないと言われている。こうした点から、欧州諸国は開発に消極的で、米国でも周辺住民による「水圧破砕」反対運動が広がっている。現在のシェールガス採掘技術では環境汚染が懸念されるため、ポーランドは本格的な採掘に関しては慎重な姿勢をみせている。